2015.04.11カテゴリ|ブログ
こんにちは、わたなべ動物病院です。
先日、ダニによる人への病害に関するニュースが立て続けに報道されました。
一つは歌手のアブリルラビーンさんがライム病のため入院していたとのニュースです。
5か月間寝たきりで過ごしたようですが、幸い病状は回復し、今は元気に過ごしているとのことです。
では、ライム病とはどんな病気でしょう?
ライム病はダニが運ぶ細菌が原因で、初期は皮膚症状(遊走性紅斑=皮膚の赤みが動くように広がる)を呈し、
倦怠感や関節痛、神経疾患、心臓疾患など様々な病害をもたらします。
多くの患者さんはダニに刺されたことを認識しているようです。
もう一つは愛媛大学の学生が実習中にダニのような生物に咬まれ、発熱したというニュースもありました。
ダニが運ぶウイルスが原因で起きるSFTS(重症熱性血小板減少症候群)への感染の可能性も考え、経過を観察していくとのことです。
SFTSでは発熱、消化器症状(下痢・嘔吐)、神経症状以外に
血を固め、出血を止める血小板が減ることによって、出血症状なども出てきます。
根本的な治療法は今のところないため、症状に合わせた治療(対症療法)が中心で、致死率は6.3~30%と言われています。
ライム病やSFTS以外にも様々な病気をダニは人に運んでしまいます。
このように人に多くの病気を運ぶダニですが、
ワンちゃんにはバベシアという寄生虫を、
猫ちゃんにはヘモプラズマ(以前はヘモバルトネラと呼ばれていました)というマイコプラズマを
運んでしまい、赤血球(酸素を運ぶ赤い細胞)が壊れ、貧血などが原因で死亡することもあります。
このようにダニは人にも動物にも病害をもたらします。
ダニの脅威から大切な家族を守るため、ノミ・ダニ予防薬をお近くの動物病院で相談してくださいね。
わたなべ動物病院