2015.02.09カテゴリ|ブログ
こんにちは、わたなべ動物病院の渡辺です。
以前に少しお話した特発性膀胱炎(=FIC)について書こうと思います。
FICとは原因不明の膀胱炎で、細菌は関与していません。
ストレスが発症に関与していると考えられています。
頻尿などの症状を示す猫下部尿路疾患(FLUTD)の3分の2近くはFICが原因と言われています。
そのため、ストレスの管理がとても重要です。
健康な猫ちゃんでも重要なことなので、是非ご参考ください。
おうちで出来るポイントです。
☆ストレス源を減らすこと
○罰を与えず、優しく接する
○生活リズムを整える(食事時間、遊ぶ時間を一定に)
○大きな音を避ける
・電子ブザーやベル音、雷音、人の声などを小さく出来るよう工夫する
○猫同士の関係をよくする ~いじめられる子を減らす~
・1頭1頭が落ち着ける場所、トイレ、食事場所、爪とぎ場所を設ける
・いじめっ子に鈴付きの首輪をつけ、他の子が気付いて、逃げられるようにする
・ネコちゃん同士を隔離する
☆猫ちゃんに優しい環境作り
○爪とぎ
垂直方向の爪とぎ棒、爪とぎパッドが猫ちゃんのストレス発散に有効です。
○3次元空間
キャットタワー・・・高く、滑りにくい布張りが良く、多頭飼育では1匹1匹のスペースが確保されるものがより良い。
○遊びや狩猟本能を満たす
・猫ちゃんは短時間の集中した遊びを好む→ ‘5分遊び、5分休憩、5分遊ぶ’ ×3回/日 するのが良い。
・明け方と夕暮れ時に遊ぶ(野生の猫ちゃんが狩猟を好む時間)
・狩猟本能を満たすため、猫コングなどパズルタイプの玩具でフード給餌をする(誤食する子は禁止)
・定期的に家具の配置転換、紙袋や段ボール箱を用意→新しい探索行動を楽しむ
○フェロモン
顔をこすりつけるときにも出ている親愛フェロモン製材を用いることで、ストレス軽減
☆不安を軽減する食事やサプリメント
L-トリプトファンやミルクタンパクは不安減少やストレス軽減との関連性が示されています。
人間同様ストレスのない生活はなかなか難しいかと思いますが、
これらの工夫をなるべくしていただき、猫ちゃんもストレスフリーな生活が出来るようにしてくださいね。
参考文献:ヒルズ 学術講演会資料
文責 渡辺 高司