2014.10.19カテゴリ|ブログ
こんにちは、わたなべ動物病院です。
先日、ロイヤルカナンさんの栄養学セミナーをスタッフ一同受講しました。
そこで今回も学んだ内容をクイズにします!!
①犬の皮膚の組織を全部集めると体重の何%になるでしょう
選択肢 A.約5% B.約10% C.約20%
②摂取した栄養素の何%が皮膚によって利用されているでしょう?
選択肢 A.約10% B.約20% C.約30%
③皮膚が生まれ変わり、入れ替わる期間(ターンオーバー)はどれくらいでしょう?
選択肢 A.約1週間 B.約3週間 C.約5週間
答えはそれぞれ、①C ②C ③B です。犬種や大きさにより、厳密には異なると思われます。
意外な結果ではないでしょうか?私たちが思っている以上に皮膚は重たく、栄養の必要な組織でした。
ちなみに人では①6~8%③約4週間(②はわかりませんでした。。)みたいです。
この結果から、ワンちゃんの栄養管理や皮膚の治療で考えないといけないことをより詳しく、わたなべ動物病院のGoogle+
https://plus.google.com/u/0/b/101623496555496205755/+%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%AA%E3%81%B9%E5%8B%95%E7%89%A9%E7%97%85%E9%99%A2%E5%A4%A7%E6%9D%B1%E5%B8%82/posts
で解説しています。
お時間ございましたら、お付き合いください。
文責 わたなべ動物病院
2014.10.17カテゴリ|ブログ
こんにちは、わたなべ動物病院 看護師角谷です。
台風が上陸したりと天候が荒れる日もありましたが、秋晴れの気持ちの良い日が
続くようになりましたね☆
うちの娘の運動会と遠足も天候に恵まれ、無事に終えることができました。今年の
遠足は堺市にある大泉緑地でした。たくさん遊具があり、緑地内も広いので子供さんや
ワンちゃんと一緒に行くのもオススメです!
さて、行楽の秋ということで、ワンちゃんを連れてお出かけという方も増えてきているのでは
ないでしょうか?
暑い季節は終わりましたが、ノミやマダニ対策。。まだ油断できません(^^;)ノミは気温が13度
あれば活発に活動しますし、マダニはどんな気候、場所にも適応して寄生の機会を狙っています!
特に今が一番マダニの活動が活発な季節みたいです!!
それに、マダニに咬まれるとバベシア症という病気になることがあります。バベシア原虫が
ワンちゃんの赤血球に寄生して赤血球を壊します。貧血や発熱、食欲・元気がなくなったり、黄疸
という症状が見られ、急性の場合は死に至ることもある怖い病気です。
そんな怖い病気からワンちゃんを守るためにも定期的にノミ・マダニ駆除薬を投与することを
お勧めします。
スタッフまでお気軽にお声掛け下さい♪
文責 角谷美佳
2014.10.14カテゴリ|ブログ
こんにちは。わたなべ動物病院看護士 長尾です。
先月受診した愛犬ムースのワンニャンドックの結果を少しご紹介させて頂きたいと思います。
9月20日で14歳になりました。
最近咳が良く出ており、高齢なので何か病気になっていないか、健康診断をしました。
検査結果で2つ異常がありました。
1つ目は気管虚脱 X線検査で気管の一部が細くなっていて、呼吸がしにくくなったり、咳が出やすくなるみたいです。
お散歩の時や寒くなるとたまに咳が出ていて、気管虚脱も原因の一つだと検査をしてわかりました。
気管虚脱はポメラニアンに多い病気で、お散歩の時は首輪だったのですが今は胴輪に変えてお散歩してます。
それだけで少し咳が減りました!薬も飲んで、大分調子がいいです!!
咳の原因が心臓病じゃないかと心配でしたが、心エコー検査で大きな問題も無く、少し安心しました。
2つ目は胆泥貯留 エコー検査で胆嚢内がエコーで白く映っていました。胆泥は液状の胆汁が泥状に固まった状態ということです。
悪化すると、急に元気・食欲がなくなったり、嘔吐、下痢、黄疸症状(尿が濃くなる、結膜・耳の皮膚などが黄色くなる症状)が起きることがあります。
今のところひどい状況ではないみたいです。お薬を飲んで悪化予防するのも一つ、悪化していないかどうかを少なくとも3~6か月に1回程度エコーを見るのも一つと言われて、経過を見ることにしました。
ムースはご飯を食べることが唯一の楽しみで、ご飯を用意するとワンワン鳴くので、もし食欲がなくなったりすると
すぐわかると思うですが、これからも気をつけて見ていこうと思っています。
ドッグドックの検査を初めてしたのですが、原因や治療法がわかり、少し安心できました。
最近元気がないな、高齢になってきたから心配と思っていらっしゃる方、ぜひ1回ドッグドックの検査を
してみて下さい!!
次回のブログは2番目の子をご紹介したいと思います(*^^*)♪
私の愛犬のご紹介が続くと思いますが、しばらくお付き合いお願いします(´・ω・`)
では次回お楽しみに~(^^)/
文責 長尾理奈
2014.10.08カテゴリ|ブログ
こんにちは、わたなべ動物病院の渡辺です。
避妊手術が推奨される大きな理由の一つが子宮蓄膿症の予防のためです。
子宮蓄膿症は治療しないとほぼ100%亡くなってしまう怖い病気です。
綺麗な環境下で育てられた実験犬のワンちゃん(避妊手術をしていない♀)で統計を取った論文では
4歳以上のワンちゃんの15.2%が生涯のうちに子宮蓄膿症になってしまい、治療をしたという怖いデーターがあります。
6~7匹に1頭程度が子宮蓄膿症になってしまう計算となります。
(参考文献 Exp Anim.2001 Jul;50(4):325-9. Incidence of pyometra in colony-raised beagle dogs.)
犬の子宮蓄膿症がこれだけ罹患率の高い(なりやすい)疾患であり、致死性の高い疾患であることが避妊手術が重要と言われる所以の一つです。
また、開院後毎月1回乳腺腫瘍の手術をしています。乳腺腫瘍も早期の避妊手術で予防できる疾患の一つです。
避妊手術にはメリット・デメリットがあるので、しっかりと主治医の先生と相談して、行うかどうか決めないといけません。手術には心配がつきものですが、決断するうえでの参考になればと思います。
文責 渡辺高司
2014.10.01カテゴリ|ブログ
こんにちは、わたなべ動物病院の渡辺です。
今回は子宮蓄膿症のお話です。
急に元気・食欲がなくなった4歳のチワワさんが先日来院されました。
生理が4週間ほど前に来ており、去勢したワンちゃんと交尾をしていたとのことでした。
聞いてみると水をよく飲む・おしっこを多量にする(多飲多尿)とのことでした。
これらのお話からは子宮蓄膿症が一番に疑われますが、陰部からの排膿は顕著にありません。
(多くの子宮蓄膿症は陰部から排膿が見られます。)
多飲多尿は様々な疾患が原因でなることがあり、(また、いつかブログで詳しく書こうと思います。要注意な症状です。)
原因を明らかにするには複合的に検査をする必要性があります。
今回の検査結果ではCRP(=炎症等で上昇するたんぱく質)20μg/ml以上(正常値1μg/ml未満)、エコーで子宮の顕著な拡張を認めました。
この結果から閉塞性(陰部から排膿のない)の子宮蓄膿症に起因する急激な状態悪化と考えられました。
子宮蓄膿症の手術による死亡率は5~10%程度と言われていますが、(無治療だとほぼ100%亡くなります。。)
閉塞性の子宮蓄膿症は子宮蓄膿症の中でも最も危険な状態です。
そのため、その晩に緊急手術を行いました。
開腹すると一部子宮が裂け、少量の膿がお腹の中に漏れていました。子宮破裂による腹膜炎も併発している状況です。
子宮蓄膿症でなくなる理由の50%以上が腹膜炎に起因します。
危険な状態です。すぐに卵巣・子宮の全摘出を行い、お腹の中を洗浄しました。
幸い、手術中も血圧など全身状態は一定しており、手術を乗り越えてくれました。
菌の培養検査、抗生物質(菌を退治する薬)に対する感受性検査(どの薬が効くかどうかをみる検査)も行いました。
抗生剤も効果のあるものを選択できており、術後の管理も良好で、無事に抜糸を行うこともできました。
手術をせずに様子を次の日まで見ていたら、手遅れになっていたかもしれません。
膿がお腹の中に漏れていたため、しばらくは抗生剤を投与しないといけませんが、頑張ってくれそうです。
手術はリスクがあるため、執刀前後は常に緊張しますが、元気になってくれて本当によかったなと思います。
死亡率の高い子宮蓄膿症を避けるためにも、早期の避妊手術をこれからも推奨していこうと思います。
そのような意味でも、次回は避妊していない♀のワンちゃんがこれだけ怖い子宮蓄膿症になってしまう可能性についてブログに載せようと思います。
文責 渡辺 高司